Q:授業UDの実現には、何が必要でしょうか。 A:「教科教育」「特別支援教育」「学級経営」、これら3つの教師の専門性を高めることが必要です。 授業UDの実現には、「教科の本質に根ざすこと」「子ども一人ひとりの学び方に応じること」「支え合う人間関係や学習環境の整備すること」、こうした観点から授業をデザインしていくことが不可欠です。 本学会では、「授業UDカレッジ」として、こうした3つの専門性を系統的・体系的に学べる機会を提供しています。
Q:授業UDでは、黒板の周りに掲示物を貼ってはいけないのですか。 A:そんなことはありません。 目の前の子どもやクラスの実態によります。例えば、視覚情報に関する選択的注意が難しい子がいれば、そうした方がいいかもしれません。しかし、もしもそんな子がいないなら、貼る、貼らない、どちらでも構いません。 こうした学習環境の整備も大事ですが、それよりも最も大事なのは、掲示物が気にならないほど「楽しくて学び合う授業」が実現することです。 繰り返しになりますが、授業UDには「〜しなければならない」という指導方法はありません。あくまでも「目の前の子どもの学び方に合った指導を工夫し続けること」が大切です。
Q:授業UDには、決まった指導方法がありますか? A:ありません。 例えば「焦点化・視覚化・共有化」(桂2011)の視点で授業をつくることで、全体指導の効果が上がることもあります。しかし、すべての子に対応できるわけではありません。絶対的なものでもありません。当然ですが、一人ひとりの学び方に応じた個別指導も重要です。 また、子ども一人ひとりが、自分に合った学び方を選べる学習環境を教師が整えることも大切です。このことが、子どもたちの多様な教育的ニーズに対応することにつながります。 大事なのは、目の前の子どもやクラスに応じて、教師が適切な指導方法を工夫し続けることです。
Q:授業UDとは、指導方法ですか? A:違います。 指導の理念です。通常学級を担当するどの教師も目指すべき、言わば、教育の哲学だと言えるでしょう。こうした指導の理念に対しては、様々な指導方法があるべきです。 毎年開催している「全国大会」では、各教科の公開授業に基づいて、子どもに合った指導方法の有効性を議論しています。会員が自由に発表したり議論したりする場も設けています。また、学会誌『授業UD研究』において、様々な知見を蓄積することを目指しています。 授業UDは、画一的な指導方法ではありません。